Autoshipシステム

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作り易い船型について

船の建造コストを下げるには、できるだけ安い労働力や材料を使う方法を始めとして、色々な方法が考えられ実行に移されてきました。しかし時代が進み、現在の日本ではこのような基本的な手段では、もう船価を下げることはできなくなってしまっているのは、御存知の通りです。かと言ってレベルの低い、性能の悪い船型では、いくら作り易くて建造コストが下げられると言っても、実際に船を運航して効率良く利益を上げられなければならない船主側の立場からは、注文する気にならない船となってしまいます。

作り易い船型に関して、このような難題を解決する方法はもう残されてはいないのでしょうか。いえ、あります。外板展開可能な船型がそれです。では、今までこの方法が効果的であることが解っていながら、広く受け入れられなかったのはなぜでしょう。それは外板展開可能な船型で、外板を平板に展開した外周形状のテンプレート又は、オフセットデータがあり、しかもその展開外板に対応する、直線形状ではないゆるい曲線形状のフレーム断面のテンプレート又はオフセットがある場合は、滑らかで歪みの出ない船型が短期間で容易に作れることは解っていました。しかし、このような船型は今までの設計手法では、種類の限られた典型的な船型でしか実現できませんでした。実際に船主側の要求を最大限に満足できる船を、短期間で建造しなければならない現実の中では、機能的にも、性能的にも要求を満たし、且つ外板展開も可能な各種の船型を限られた設計期間内で実現することはほとんど不可能な状況でした。

しかし、コンピュータの発達と共にプログラムも進化し、安価なパソコンで船舶設計者自らが容易に使いこなせる船舶設計プログラムにより、外板展開可能な船型が自由自在に設計でき、しかも展開後の外板形状と任意の位置におけるフレーム形状の原寸大のテンプレートやオフセットが容易に出力できるようになった現在では、今までの問題点が一気に解消されたのです。もう頭を悩まし、長時間の貴重な労力を費やす必要なく、百発百中でピタリと合う展開可能な外板の組み合わせで出来上がった船型が、350万円程度からの投資で実現できるようになったのです。

Autoship Systemには、この大幅な建造コストの削減と期間の短縮に最も効果のある、外板展開可能な船型の設計向けプログラムモジュールが標準で組み込まれております。しかも、この可展面の創成機能は非常に強力で、今までのこの種のプログラムが対応していた、ただ単純にシヤーラインとチャインラインの間や、チャインラインとキールラインとの間に可展面を創成するだけでなく、トランサムでの船底断面形状も含めてコントロールされた、さらに複雑でありながら、より滑らかな可展面も創成できるようになりました。

コンピュータに複雑な計算を任せてしまうことで、設計者は効率の良い、高性能でありながら、より作り易い外板展開可能な船型を短期間で設計することが可能になりました。これにより、適正な利益を確保しながら、より競争力のある船の建造が可能になったばかりか、全長160m 7300トンクラスのRO-RO船等、今までの設計方法では考えられなかった新次元の高性能なさまざまな船型までもが、現実に世界各国で設計されるようになってきました。

技術革新のテンポが他の業界より遅いと言われていた造船業界ですが、より複雑で、より高性能な曲面形状でありながら、より作り易い船型として、基本設計段階から検討できる強力な道具としてのパソコンとプログラムに、柔軟な発想を加えることで、益々多様化する要求を受け入れながらも、適正なコストで船をさらに高度に進化させることが可能になってきたのです。

外板展開可能な船型の設計と建造の技術は今後も船舶業界に身を置いて設計に携わっていく者にとっては、今まで以上に真剣に取り組まなければならないテーマです。最近の海外での展開可能船型の著しい進歩に取残されないため、小回りが利いて、決断力があり、適応力のある造船所や設計事務所にとっては、一層の飛躍が可能になるノウハウとなるものと考えられます。

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